CND Forum – Friday, August 30
フォーラム6日目はビジテーション管区による祈りで1日が始まった。ゆっくり呼吸に合わせて、自分を安全地帯に置き、自分の中にあるさまざまな感情や考えを解き放つ時間を過ごした。
午前中の最初のセッションではジャンヌ・マリー・ルギラ氏とアメル・ザーザー氏による相互文化性、相互世代性と交差性についての導入が行われた後、全体での分かち合いが行われた。ジャンヌ・マリー氏は、奴隷制度が導入されたときの話を共有した。奴隷制度下では、白人は家や家屋を貰えたが、黒人は貰えず、植民地制度の中で過激なマルクス運動、黒人解放運動、フェミニスト運動の為に働いた人は、家父長制を倒すために戦ったので、本当の女性解放にはならなかった。女性の権利、仕事の獲得のために働いた人も、男女間に憎しみをもたらし、アラブ女性の自由を奪うことになった。世界中のフェミニストは、国による事情の違いや、お互いの理解の相違のために闘った。今日の問題は、母性性を奪うフェミニズムで、黒人の女性の強制的断種、女性の中絶の権利などがある。私たちは、自分の歴史的背景から交差性を考え直す必要がある。ジャンヌ・マリー氏は、権力を持つ人が差別を生むことを強調された。また2004年にフェミニズムと人種差別の二つのグループが協定を結んだが、フェミニズムが男女間の憎しみと人種差別を引き起こしているという話も共有された。
そこで以下のような意見が会場から聞かれた。
カメルーン:権力者のあり方も女性の立場も違う。教会での女性解放に努力したい。
アフリカ:コンドームを使用することを強制する男性が、女生徒を指導する様子を見て、何故、女性の声を聴かないのかと、疑問を感じた。アフリカも国により差別問題が異なる。
カナダ:差別を抑圧できる政策の枠組みを教えてもらいたい。
カナダ:女性解放への意識がないならば、解放を内面化できない。各自の心の在り方が大切。
カメルーンのアソシエートの方より「コリント人の第一の手紙」14章35節に見られるように、家父長的精神は今でも多くの人を縛っている現実がある。女性と男性が一緒に家父長制を変えるべきである。
午前中の2つ目のセッションでは、ジャンヌ・マリー氏は、今までの話を振り返り、私たちが置かれている環境のなかで体験している相互文化、相互世代間、交差性の課題に対して、人々を安全なスペースに案内することを勧めた。相互文化に見られる問題や家父長制、交差性の問題は、社会システムの中で複雑に絡み合い合っている。またジャンヌ・マリー氏は、私たちの意識の中で制度を内面化していることも課題であることも問題であると述べ、私たちは、誰が、何を、どのように歴史をコントロールしてきたのかについて考え、抑圧されている人たちが声を上げることができる安全なスペースを設けることが必要であると述べた。私たち一人一人には、周縁にある人々に対する責任があると述べた上で、この会場にいるすべての人々に、反抑圧な方法にはどのような方法があるかについて質問を投げかけた。
午後のセッションでは、ジャンヌ・マリー氏から前日に呼びかけられた65歳以下の姉妹たちが2つのグループに分かれて登壇し、一つ目のグループには「自分の会のビジョン、夢について」、2つ目のグループには「集団として、次のサミットは何だろうか?どのような責任を背負わないといけないか?どのようにこれらを具体化していくことができるだろうか」という質問に答え、それに対して会場から励ましのコメントを頂いた。
最後に、ケビン・ケリー神父様司式のミサが行われた。フォーラムでCNDシスターズ、アソシエートと心を合わせ、マルグリット・ブールジョワの精神でひとつになって心を開いて、お互いに傾聴し、赦し、成長する時間を共有できたことを主に感謝を捧げた。
ミサ後、ジャンヌ・マリー氏より、フォーラム期間中の参加者の勇気を称え、たくさんのインスピレーションを受けたことへの感謝と励ましのことばをいただいた。シスターオナ・ベセット総長より、参加者へのねぎらいのお言葉と、今回の運営委員会、通訳者、参加者、フォーラムのために準備して下さったすべての方々に心からの謝意のことばを述べられた。
ジャンヌ・マリー氏の研修会からはじまり、私たちCND会員とアソシエートは一丸となってCNDの歴史と真剣に向き合い、それぞれの管区、地区の文化的、社会的地平から未来に向けて脱植民化の改善点を意識し、人間らしい世界にするために歩み出す力を頂いた。
夜は、全体会場で晩餐会が行われ、バイオリン、チェロ、ハーブ等の楽器の演奏を聴きながら、会場に集まった姉妹、アソシエートと手と手を携えて、喜び踊った。